見る

もともと知り合いが1人もいなかった名古屋で、もう一度個展をしたいと思わせたのは、見てくださる人の魅力があります。“マイペースで夫々自由に長時間の人”、“無口で居眠りの人”、“毎日来る人”「いやあ、落ち着きました」と言ってアクビする人・・・気に入っています。このゆっくりした時間は、何と贅沢でエレガントなことでしょう！

ひょんなことから東京銀座での個展の際に名古屋の女性に行き合い、翌年から彼女が大阪の個展にお越しくださるようになり、｢名古屋では私が出前しましょう｣と、1998年と2004年に当時中区新栄町にあったノリタケギャラリ－で個展をしました。立地条件にも恵まれ、愛知県美術館を出た人の多くが向かい側の｢ノリタケギャラリー｣に立ち寄ったのです。その後、お友達の病などもあり…名古屋の女性は杳(よう)として行方知れずに。
今回もお運びいただき、ゆったり、のんびり、ぼんやり、お好きなようにご高覧くださいますよう、お待ちしています。　
藤里美枝