THE HISTORY OF CERAMICS & MATERIALS BUSINESS

セラミック・マテリアル事業の歴史

THE HISTORY OF CERAMICS & MATERIALS BUSINESS

セラミック・マテリアル事業の歴史

確立した食器の印刷技術が
暮らしに欠かせない電子機器の進化を支える

今やどんな電子機器にも使われている積層セラミックコンデンサなどに使用されている「電子ペースト」。その原点は、明治38年ごろにから始まった食器に装飾を加えるための転写紙の開発です。大正3年には第一次世界大戦が始まり、原材料の入手が困難となったため、自社製造を始めました。そして研究を重ね、大正末期には確かな技術として確立。当時先端を走っていたドイツやフランスにも劣らない技術を完成させたといいます。昭和40年代には転写紙製造関する技術を電子回路の印刷に応用させることに成功。その後も自動車やLED照明、医療機器用の「厚膜回路基板」、表示デバイス「蛍光表示管」、ジェットエンジンの部品製造に使われる「セラミック中子」など多くの産業分野に使われる重要な技術として進化し続けています。

門外不出の設備機器の外販に
踏み切り、窯業界の発展に貢献

頃は昭和30年代。ノリタケは創立以来培われてきた陶磁器製造技術で、原料の精製、成型加工、転写画付け、焼成などのあらゆる分野において、窯業界のリーディングカンパニーとしての地位を確立していました。当時、優れた製品を生み出す設備機器は、技術力の結晶として門外不出。しかし、窯業界の近代化と輸出の振興のため、社是である「良品、輸出、共栄」の精神にのっとり、設備機器の外販に踏み切ります。数々の問題を抱えていた窯業界のために技術を開示し設備を開発したことは、現在のセラミック・マテリアル事業の重要な出発点となりました。

海外からの技術を取り込み、
第3の事業の開拓にまい進

昭和42年、食器、砥石に続く第3の事業を開拓するための組織づくりが行われ、研究開発のための新商品事業部が誕生。厚膜印刷基板や電子ペーストの開発は電子事業の発展に貢献しました。また、触媒担体の開発はファインセラミックスの可能性を広げ、海外から導入した新技術によって開発したセラミックスコアや、セラミックパイプは、新たな市場を開拓しました。

電子ペーストと
ファインセラミックス事業が好調

新事業としてスタートした電子事業では、蛍光表示管用ペーストが新たな飛躍の芽として育ちつつありました。一方で、電子事業と密接な関係にあった窯業機材部品とセラミック部品においても、画付技術やファインセラミックスの分野へも視野を広げていきます。それぞれが太い柱を持つようになると、電子ペーストを含めた窯業機材の生産を担うノリタケ機材株式会社と、ファインセラミックスの生産を受け持つノリタケセラミックス株式会社として、時流の先を行く2つの独立した企業が誕生しました。

会社の合併、事業部の統合に
よって新しい道を切り開く

昭和50年代後半、歯科医療や工業用部品の鋳造にも浸透していた石膏ボード事業の業績が急落。組織の解体を余儀なくされましたが日東石膏を合併し、新たなスタートを切りました。そして、歯科用陶材の開発、歯科焼付用メタルの開発に着手するなど、デンタル市場でシェアを拡大していきます。昭和62年になると建材事業部、4事業部を統合してセラミック事業本部が発足。営業や技術面での協力体制がより強固となり、世界市場へ向け販路を拡大していきました。

景気の停滞もものともせず
海外市場への進出を拡大

平成8年、電子事業本部とセラミック事業本部を統合して、電子・セラミック事業本部が発足。海外の技術を導入したことによって進んだファインセラミックス事業ですが、それでも先進諸国に比べて10~15年は遅れていました。世界に挑むには、海外の最新情報と素材をつかむ必要があり、高度なノウハウの確立に苦心しました。21世紀に入り、世界的な景気失速の懸念が広がりつつある中でも、さらなる海外市場への進出を拡大するため、世界で信頼される製品作りに向け、国際基準であるISO9001、ISO14001 の認証を取得しました。

平成13年~現在
高品質でオリジナリティのある
商品やサービスを提供するために

平成13年に、セラミック・マテリアル事業グループとして組織を再編し、今後も拡大発展が予想される次世代ペーストや、高密度化に対応する積層多層基板などを中心とした開発が進められています。高品質でオリジナリティのある商品やサービスを提供し、豊かで良質な暮らしをどのように創出できるかを模索しながら、世界市場におけるリーダーシップの確立を目指しています。