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2025年11月26日
ノリタケ株式会社
工場排ガス向けCO2回収材を開発
~インドのCSIR-NIISTと共同開発、高温下において高濃度のCO2回収が可能~
ノリタケ株式会社 (本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:東山 明、以下 ノリタケ) は、インドの科学産業研究機構 国立学際的科学技術研究所※1 (以下 CSIR-NIIST) と共同で、工場排ガス向けCO2回収材を開発しました。本開発品は、高温下において高濃度のCO2を回収するもので、CSIR-NIISTとともに実証試験を進めます。
■市場環境
カーボンニュートラルの実現に向けて、CO2の回収技術が注目されています。中でも、工場などの産業施設からの高温の排ガスには高濃度のCO2が含まれており、効率的な回収が求められています。
■工場排ガスに含まれるCO2回収技術の課題
現在、さまざまな手法が開発・実証されており、代表的な回収法の一つに、CO2を吸収する機能を持つアミン液を用いた方法があります。アミン液は、約100℃でCO2を脱離するため、高温環境では使用が困難で、300℃以上になることが多い工場の排ガスを回収する場合、温度を下げる必要があります。この冷却工程にはエネルギーコストがかかるため、排出された温度域で効率よく回収できる材料が求められています。
■開発品の特長
CO2回収材
ノリタケとCSIR-NIISTは、高温に耐えられるセラミックスを用い、素材の合成方法を工夫するとともに、独自の添加物を加えることで、高温の排ガスから効率的にCO2を回収することが可能な回収材を開発しました。
① 高温を保った状態で排ガスからCO2回収が可能
300~400℃で排出される工場排ガスを冷却せずに回収でき、エネルギーコストの低減が可能。
② CO2回収量がアミン液比で同等以上※2
CO2濃度が20%以上の場合、単位質量あたりのCO₂回収量はアミン液と同等で、50%以上では2.5倍以上となる。
ノリタケは、CSIR-NIISTとともに、本開発品に対する実証試験を計画しています。
※1 インド政府の科学産業研究評議会の傘下にある37の国立研究所のひとつで、1975年に設立されて以来、化学、材料化学、バイオテクノロジー、農産物加工、環境工学など多岐にわたる分野で応用研究を行っている。先進的な設備と学際的なアプローチにより、国家的課題に沿った技術開発を推進。産学連携の促進や、知的財産の創出、技術移転、国内外の戦略的協力にも積極的に取り組んでいる。
※2 アミン液は、排ガスを約40℃以下に冷却してから回収。開発品は、300~400℃の排ガスを冷却せずに回収。
開発品に関するお問い合わせ先
ノリタケ株式会社 研究開発センター
TEL:0561-34-5111 FAX:0561-34-4997 E-mail:kaihatsu_b9700@noritake.com
本件に関するお問い合わせ先
ノリタケ株式会社 広報室
TEL:052-561-7110 FAX:052-561-9721 E-mail:koho@noritake.com



