人材戦略
人材ポートフォリオの充足を図り、
経営戦略に連動した人的資本の強化に取り組みます。
                    
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ノリタケでは、2030年ビジョンの達成に向けて人財戦略を推進しています。2024年度も主に3つの施策に取り組んできました。1つ目は人材ポートフォリオに関する取り組みです。タレントマネジメントシステムを導入し、人材タイプを分類し、組織に必要な能力、要素を洗い出し、長期的な視野に立って当社の目指す姿に沿った人材ポートフォリオづくりを行いました。2つ目は、2024年度から導入した新人事制度です。従来は年功要素が強く、評価にあまり差が付きませんでしたので、よりメリハリのある評価をするために基準を刷新しました。3つ目は従業員エンゲージメントの向上です。エンゲージメントサーベイの結果により、部門ごとの課題が明確になり、改善策を施し、従業員エンゲージメント向上に繋がりました。またエンゲージメントに対する会社の意識が高まっていることを感じています。
                        第13次中期経営計画でも、従業員を会社の付加価値を生み出す重要な資本と捉え、投資を強化していきます。2025年4月には、組織変更を行い、人財マネジメント部として新たなスタートを切りました。人材ポートフォリオの充足は最重要の施策ですので、引き続き、人材タイプやレベルをしっかりと見極め、ポートフォリオの充足度を上げていきます。また、タレントマネジメントシステムの活用も進め、今後はタレントデータを育成や適材適所の配置にも活かしていきます。
                        新人事制度は改善と定着のフェーズに入ります。すでに新基準による評価を2回実施しましたが、想定以上に評価が中央値に寄ってしまうという課題が見つかりました。評定を改善しながら、さらなる意識改革を進め、メリハリのある適切な評価を行うことで、従業員が納得感を持って働ける環境を整備していきます。
                        東山社長とのタウンホールミーティングには、2024年度1,200名超が参加し、現在は事業部トップとの対話のステージに入っています。従業員エンゲージメントを高めるだけでなく、職場に埋もれている人材の掘り起こしにも繋がっていますので、継続して取り組んでいく考えです。
                        その他、女性活躍タスクフォースの提言に基づくさまざまなDE&I施策を推進しています。2024年度は逆指名型の役員メンター制度を実施しました。女性役職者がメンターを指名し、対話や相談を行えるというもので、継続的に活動することによって女性役員の育成に繋げたいと思っています。また、定年退職者の増加や少子化など将来的な人材不足を見据え、人事ローテーションによる最適配置や定年延長を含めた制度整備など、人材の力を最大限に活かしていける体制づくりを行っていきます。
ノリタケにおける人材のアイデンティティ
ノリタケは洋食器製造で培ったセラミックス技術をさまざまに応用・発展させ、時代とともに変化する社会環境とニーズの多様化に対応し、常に新たな価値を生み出してきました。
                            受け継がれ・深耕してきたマテリアル×プロセスの独自技術を社会へ提供する価値の源泉(シーズ=種)として、「マーケットのニーズにシーズを最適化して提供する力」、さらには「社会のニーズに対して新たなシーズを独自技術の中から発見・創出する力」が当社の人材のアイデンティティであると考えています。
事業戦略と連動した人財戦略
人財戦略の策定にあたり、最初に事業戦略の遂行に必要となる人材を複数のタイプに分類し、目指す人材ポートフォリオを設定しました。
そして、現状の人材ポートフォリオとの対比(“As is”–“To be”ギャップ分析)から、以下の人財戦略を掲げました。
人財戦略
- ①目指す人材ポートフォリオ充足に向けた人材投資の強化
- ②多様な人材を確保し育むタレントマネジメントの実践
- ③多様な人材の役割・成果に基づく人事制度の定着
- ④従業員エンゲージメントを高め、人的資本への投資効果を最大化する社内環境整備
戦略の進捗を測るため主に以下3つの指標をモニタリングしていきます。
- 1.越境経験人材数
 ノリタケにおいて成果や利益をマネジメントする能力の育成には、キャリアにおいて複数分野の職務を経験することが重要と考えています。そのため、こうした分野横断型の人事異動経験を「越境経験」と名付け、その経験を持つ人材の数をモニタリングします。特に部門長クラスおよびその候補人材にとって望ましいキャリアパスとして意図的に越境経験を積ませる人事運用も進めます。
- 2.人材タイプの充足度
 人材ポートフォリオにおいて定義した各人材タイプが各事業においてどの程度充足しているかを継続的にモニタリングし、採用や人材育成の指針とします。
- 3.エンゲージメントスコア
 さまざまな人的資本投資の効果を最大化するため、エンゲージメントスコアをモニタリングし、組織課題への対策に活用していきます。
人材投資の強化
人財戦略において描き出した「目指すべき人材ポートフォリオ」の充足に向けて、現有人材の育成・強化に加え、新たな人材の確保にもこれまで以上に注力します。自社にない知見や専門スキルを取り込むため、有機・バイオ、電子・半導体などの戦略分野やDX、マーケティング、財務・法務などの専門分野においては、採用だけでなく、外部機関・外部人材の活用も含め、組織機能の強化に取り組んでいきます。
                    同時に人事制度改革・運用、タレントマネジメントシステム運用などへの投資もより積極化し、人的資本の基盤強化を推進します。
タレントマネジメントの実践
キャリアパスモデルの設計・浸透
求められる人材タイプをゴールとしながら、個々の社員がモチベーション高く自律的にキャリア形成できるよう、モデルとなるキャリアパスを提示し、キャリア教育や上司面談を通じてキャリアデザインを支援します。
ローテーションの活性化
ノリタケでは2023年度より社内ローテーション制度を本格導入しており、前述のキャリアパスを実現するためにも、一人ひとりの志向性・適性を踏まえ、ローテーションを活性化させていきます。
タレントマネジメントシステムの活用・推進
2024年度よりタレントマネジメントシステムを本格的に稼働し、人材データの一元管理・人材の見える化を進めています。
                    適材適所の配置、キャリア形成など、社員一人ひとりの特性に合わせた働き方が実現できるようにシステム面の整備・拡充を継続します。
人事制度の改定と定着
ノリタケは2024年4月に人事制度を改定しました。
                    「多様性」「成長」「挑戦」「リーダーシップ」「新たな価値創造」をキーワードに、社員に期待される働き方をあらためて明示するとともに、等級を再定義し、人事評価項目・基準も刷新しています。
                    今後は、制度の運用を通して見えてきた点を改善し、人財戦略の柱として従業員への定着を図ります。



