RESEARCH & DEVELOPMENT

ノリタケのテクノロジー

研究開発事例

インクジェット加飾技術 DECORATECT(デコラテクト)

開発背景

 世の中には様々な加飾技術があり、その中の1つである印刷技術は、IT技術の進化に伴いデジタル化され、多様化するお客様のニーズに合わせて対応できる時代になってきました。
 製造工程において焼成される陶磁器などの加飾には、有機顔料インクではなく、焼成後も発色できる無機顔料インクが使われます。無機顔料インクを用いた印刷では、同じデザインの大量印刷に適した、版を使う印刷方法が主流です。しかし、デザインや色数が制限される、少量生産への対応が難しい、製品の完成までに時間がかかるといった課題がありました。そこで、これらの課題を解決できるインクジェット印刷技術に着目し、無機顔料インクを用いたインクジェット加飾技術の開発に取り組みました。

概要

ノリタケでは創立以来培ってきた食器加飾技術(顔料やガラスに関する技術)や粒子分散技術を応用し、材料設計と製造方法を工夫してインクジェット印刷に適する無機顔料インクを開発しました。また、インクジェット印刷装置の改良を行い、無機顔料インクを使用した印刷技術を確立し、インクジェット加飾技術「DECORATECT®」を開発しました。

(登録商標第6367301号、登録商標第6367302号)

DECORATECTは、従来の印刷技術では実現できなかったグラデーションなど、色彩豊かな表現を可能にします。また、従来と同様に転写紙の技術を活用することによって曲面に加飾することもできます。
DECORATECTは、多彩な表現が可能なだけではなく、印刷版を使用しないため、製品の完成までのスピードが非常に早く、さらに少量の注文に対応できる加飾技術です。

特長

■オンデマンド対応
必要な時に必要な数だけ、入稿されたデザインデータをそのまま印刷できます。

■色彩表現力に優れた加飾

多色印刷で用いられるC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)に加えて、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の計7色の無機顔料インクを開発しました。7色のインクで印刷を行うことで、幅広い色域を表現することができます(図4)。

これにより、従来、陶磁器などで表現できなかった繊細なグラデーションを印刷することを可能にしました。 

■曲面対応

転写紙の技術を活用することで、曲面にも加飾できます。

■耐候性

無機顔料インクを使用しているので、屋外環境でも色褪せることはありません。メタルハライドランプ式促進耐候性試験※1にて検証済みです(図5)。

※1 メタルハライドランプ式促進耐候性試験

光や熱、雨などの屋外環境を人工的に再現し、耐候性を評価する促進試験。 

■環境配慮
開発した無機顔料インクには、環境や人体への影響に配慮した材料設計技術を取り入れ、セレンやカドミウム、鉛を含みません。

用途例

■屋内外サイン、建材、インテリアなど
屋内外で使用される、案内看板や植栽サイン、壁面材などの加飾に適用できます。裏側から当てた光を通す透光性のある看板も作製可能です。
また、風景や絵画などのデザインを陶板やアルミナ板に加飾したインテリア製品などの作製依頼にも対応いたします。

この研究に関するお問い合わせ

【研究開発センター】
TEL : 0561-34-5111  FAX : 0561-34-4997

お問い合わせ

PAGETOP

当ウェブサイトでは、お客さまによりよいサービスをご提供するため、Cookieを使用しています。
Cookieを無効にする方法を含め、当社のCookieの使用については「個人情報保護方針」をお読みください。

OK