RESEARCH & DEVELOPMENT
ノリタケのテクノロジー
研究開発事例
砥粒内包型研磨工具「LHAパッド」
製品概要
CO2排出削減に関する取り組みが活発化するなか、ハイブリッド自動車や燃料電池車なども注目が集まっています。これらのモーター駆動の自動車に搭載されているモーター制御装置にはパワー半導体という部品が使われています。この部品は現在シリコン単結晶基板が用いられていますが、発熱量が少なく効率的で小型化が可能なSiC(シリコンカーバイド)単結晶が今後の主流になると言われています。
デバイスを作るには、SiC単結晶の表面を鏡面状にする必要がありますが、SiC単結晶は非常に硬い素材であり、現在主流の遊離砥粒方式では研磨に大変時間がかかり高コストの要因の一つとなっています。
ノリタケでは、その課題に対応すべく、砥粒内包型の研磨工具(LHAパッド)を開発しています。
このLHAパッドを用いることで、これまで研磨レート重視の1次研磨工程と面品位重視の2次工程を組み合わせた2工程で行われてたSiC基盤の研磨工程を、1工程に短縮することが可能となります。さらに水(あるいは水溶液)のみでSiCの加工が可能なため、廃棄物を大幅に削減することも可能です。
またLHAパッドはSiCだけでなく、様々な材料(Si、ガラス、GaN等)にも優れた研磨性能を示しています。
LHAパッドの断面構造
LHAパッドは非常に細かな網目状の特殊樹脂に研磨材が挟まった構造であり、研磨の際は研磨材が網目状の樹脂の中で転がりながら研磨ワークに数多く均質に当たり、高い研磨レートと高面品位の両立という従来の常識を変える研磨を行うことができます。