エンジニアリング事業
ノリタケグループの概要
主要製品
●高効率焼成炉ローラーハースキルン ●遠赤外線乾燥炉 ●混合攪拌装置(スタティックミキサー等)
●クーラント濾過装置 ●超硬丸鋸切断機等 ●ロードカッター
2022年度の業績
事業全体ではおおむね堅調に推移しました。主力のヒート事業はリチウムイオン電池(LiB)焼成炉の好調により売上、利益ともに伸長し、消耗品販売、アフターサービスともに大きく伸びました。電子部品向けの加熱炉、焼成炉も堅調に推移しました。一方、自動車向けホットスタンプは客先の設備投資の停滞で落ち込みましたが、それに代わる新たな分野への展開に着手しました。ノリタケTCFにおいてもLiB向けが大きく伸びました。流体マシン事業は化工、濾過が低調でしたが、マシンは新たに開拓した建築資材向けが増加しました。
これらの結果、エンジニアリング事業の売上高は、259億5百万円(前期比9.8%増加)、営業利益は20億50百万円 (前期比0.2%減少)となりました。
第12次中期経営計画の進捗
ヒート事業はエネルギー、エレクトロニクス向けに展開していくことを継続しており、しっかりと活動できたと評価しています。また、LiB材料メーカーの北米進出に伴い、当社も現地での販売・アフターサービス体制の構築をスタートしました。2023年度は現地に拠点を設立し、協力会社の開拓等を進めていきます。
流体マシン事業は、これまでの主力としていた自動車、ベアリングが今後大きな成長が見込めない中で次の事業展開として環境、エレクトロニクス、ウェルビーイングの3つの成長領域に参入していきます。環境についてはスラッジ固形化装置やフードロス削減に貢献する装置などのサーキュラーエコノミーに関連するビジネスモデル構築を進めています。ウェルビーイングについては医薬、化粧品分野に向けた装置の開発など、各方面で参入の足掛かりを作りました。
成長戦略
事業の中心であるヒート事業では、LiB関連メーカーの引き合いが非常に旺盛であり、その焼成炉の増産に対応するため、小牧工場に約25億円を投資し、新棟を建設します。また、先述のように米国にも積極的に投資を行っていきます。電子部品は主力がMLCC、フィルム基板ですが、次世代向けの高生産性設備等の提案、販売を目指しています。加えて、自動車向け以外の新分野開拓も急務として取り組んでいます。
当事業の最大の課題は製品別のバランスであると認識しています。現在、ヒート事業が売上の70~80%を占めていますが、他の事業も含めてバランスよく事業を拡大させていきたいと考えています。そのためには、人員の補強と育成が欠かせません。当事業は、お客様の製造工程に深く関わるため、習得すべき知識や技術が多く、育成に時間がかかる部分がありますが、人材の配置や育成方法を工夫し、効率化を図っていきたいと思います。
一方で、製造、設計、営業の垣根が低く、風通しの良い組織であることは当事業部の大きな強みの一つです。チャレンジ意欲が旺盛な人材も多く、メンバーが能力を最大限に発揮できる環境を整え、事業の大きな成長を目指します。
MESSAGE
全ての従業員が力を発揮できる職場づくりを
当事業はキャリア採用も多く、新人から中堅、ベテランまで幅広い世代の社員がおり、多様な価値観が混在する職場となっています。仕事に対して高い意欲をもっている社員も、ワークライフバランスを重視する社員も、それぞれの価値観にあったキャリア形成や働き方ができる組織をつくりながら、組織として成果を出していくことを考えなければなりません。性別や職種に関わらず、スキルアップを図って上を目指したいという場合にはどんどん成長の場を設けてスキルを習得できるように積極的に支援を行っているほか、ライフイベントなど様々な事情も含めて働き方を選択したい社員が制度を活用しやすい雰囲気づくりも重視しています。
事業の成長に一番大切なのはやはり「人」だと思っています。通常、職場で過ごす時間は約8時間、一日の3分の1になります。その時間がすべての従業員にとってよりよいものとなるよう環境を整え、エンゲージメント向上、生産性向上に繋げ、しっかりと力を発揮してもらうことで、事業成長の推進力としていきたいと考えています。