工業機材事業
ノリタケグループの概要
主要製品
●研削砥石 ●ダイヤモンド工具 ●CBN工具 ●研磨布紙 ●研削・研磨関連商品(研削油剤等)
2022年度の業績
国内では、車載用の半導体不足による自動車の減産が長期化し、鉄鋼、ベアリング業界にも影響が広がりました。海外では各国でコロナ禍からの市況回復が見られ、為替の影響も加わり、売上が増加しました。一方、原材料、エネルギー価格の高騰と円安の進行により生産コストは上昇し、収支に大きく影響を及ぼしました。
これらの結果、工業機材事業の売上高は、574億77百万円(前期比0.2%増加)、営業利益は23億52百万円(前期比23.0%減少)となりました。
第12次中期経営計画の進捗
工業機材事業では、既存事業の収益基盤強化、成長分野進出に向けた基盤整備を基本戦略に掲げています。まず、既存事業では2年前から続く原材料、エネルギー価格の高騰に対処するため徹底した収益改善を継続してきました。海外生産拠点の収益改善も重要課題として取り組んでおり、中国については大型重研削用砥石の拡販と原価低減によって黒字化が達成できました。
新規事業については、電子・半導体分野は、スマホ、パソコン等の需要低迷が影響して進捗が遅れていますが、電動化の進む自動車用途は今後、長期的に成長が見込まれ、製品ラインアップを拡充し、巻き返しをはかっていく考えです。
また、主力製品群のうち、ダイヤ関連製品事業の収益改善も大きな課題であり、コスト低減や電子・半導体分野への進出を早急に進めていきます。
成長戦略
環境・エレクトロニクス・ウェルビーイングの成長領域においてプレゼンスを高めていきます。
環境についてはEV関連工具の拡販を進めており、三好工場の歯車研削砥石の増産に着手しました。エレクトロニクス領域は、電子・半導体分野への拡大に取り組んでいきます。
ウェルビーイングでは需要が増加する注射針用砥石を主に注力していきます。
生産におけるカーボンニュートラルにお客様の関心が高まる中、砥石の焼成プロセスでCO2排出削減が可能な水素燃焼炉等の開発を進めています。他にも、これまで木箱を使用していた梱包資材を強化段ボールに切り替える活動を神守工場、三好工場で実施、2023年度は久留米工場、夜須工場にも展開します。また、生産に必要な電力の一部を賄う太陽光パネルを神守工場、夜須工場で本年度中に設置を予定しています。
また、2022年10月には日本レヂボンとNCAが合併しました。この合併で、効率的な事業体制を早急に構築するとともに、将来に向けての製造拠点の再編に繋げていきたいと考えています。ノリタケグループとしても大きな合併でしたので、これからしっかりと成果をあげていくべく、取り組みを進めてまいります。
MESSAGE
新たな視点で組織体質と人材の改革を目指します
2023年4月にエンジニアリング事業部から当事業部に本部長として異動しました。研削・研磨製品では国内トップシェアを誇る当事業は、高い技術力と優れた製品ラインアップが揃っており、それゆえに製販の分業化が進み、合理的な体制が出来上がっている印象をもちました。しかし、しっかりとした分業化は新領域、新製品の開発においては弱点になりかねないとも感じます。今後はスピード感をもって新しいことに挑戦できる体質に変革していかなければなりません。
組織の変革には人材の意識改革が不可欠です。昨年度には、一人ひとりが事業部において重要な役割を担っていることを実感できるよう長期ビジョン、事業方針の展開に努めてきました。また、若手社員には製品知識と技術ノウハウをまとめたテクニカルジャーナルや製品提案をサポートする研削ソリューションカタログ、国内外の営業職の実体験をまとめた冊子、品質保証の教本も発行し、より専門的な知識を深めるための環境を整えました。これらの学びを通じて、皆が主体的に仕事に取り組み、やりがいと成長を感じてくれることを期待しています。また、今後はジョブローテーション等、複数の職場で経験を積めるキャリア形成も推進していきます。